五十肩の根本原因は、「腰」にある?【痛みの原因】
五十肩は、肩の筋肉が炎症を起こし、腕が挙がらなくなる病気です。
そのメカニズム五十肩でもお伝えしている通りですが、実のところ、では何故肩の筋肉が長期的に酸欠や血行不良を起こすほどの負荷を受けるのか?医学的にはまだはっきりと証明されていません。
しかし、臨床の現場において、五十肩(回旋筋腱版炎)を患っている方に共通して見られるものが、「胸腰椎のアライメント異常」です。
要するに、何らかの原因で腰回りの体幹バランスが狂ってしまっている、ということですね。
肩の筋肉が、なんで腰と関係があるの?と思うかもしれませんが、肩回りに存在している筋肉は、実は体幹の極めて広い範囲に付着しています。
例えば僧帽筋は肩甲骨に付いている筋肉ですが、この筋肉は首から腰に掛けて広い範囲を覆っています。
また、肩を支えている広背筋という筋肉も、肩のつけ根から腰、骨盤までにかけて、広い範囲で存在しています。
実は、これらの範囲の広い筋肉が問題を起こすと、五十肩の発生率は飛躍的に高まるのです。
そこには「腰の特定の歪み」が関与していることが大半なのですが、実際に腰をぎっくり腰で壊されていたり、運動不足や筋萎縮によって下半身に問題が出ている場合は五十肩になる可能性が激増します。
基本的に五十肩は、肩の関節そのものがスムーズに動かせる場合は発生しません。
五十肩は、固まってしまった肩を無理に動かそうとした結果として生じる病気なのです。
肩は人間の身体の中でも特に可動域(動かせる範囲)が大きい関節です。
肩関節の自由度の高さは日常生活を過ごすうえで、我々に様々なメリットをもたらしていますが、反面、動きが大きいとその造りは繊細かつ複雑となり、ちょっとバランスが崩れるだけでも大きな問題を起こしやすくなります。
舗装された道を走っているクルマのタイヤは長持ちしますが、逆に未舗装のデコボコの道を走っていると、タイヤはすぐにすり減ってダメになってしまいます。
肩の健康を保つためには、常に柔軟に動く肩、そして動かしたときにスムーズな円を描く関節が必要なのです。
例えば、もしも肩に付いている筋肉が固くなってしまうと、肩関節の動きはどうなるでしょう?
肩を前に出そうとしても、肩の後ろに付いている筋肉がガチガチに固まっていると、肩はスムーズに前に出すことはできません。
広背筋や僧帽筋は、肩を腰と繋いでいる筋肉です。
これらの筋肉が固まってしまうと、腕を前に出すだけでも、肩に大きな負担をかけるようになります。
そう、これらの筋肉が長期間固まったまま日常を過ごしていると、腕や手を使う作業を行うだけで、少しずつ肩が壊れていくのです!
このようにして、五十肩の原因は腰にある!ケースは高頻度で見られます。
肩の筋肉は首・腰・胸・骨盤・・・非常に広範囲に存在しているため、逆に全身から影響を受けてしまうのです。
五十肩を治すためには、実は全身のバランスを確認することが大切なんですね。