腰痛、肩こりを放置するリスク
腰痛、肩こりは、日ごろからその痛み、辛さに悩まされている方がとても多い疾患であり、時には国民病とも言われています。
なぜ肩や腰を壊す人がそんなに多いのでしょうか?
その理由は、人が日ごろから腰や肩を傷めるような動作を頻繁に行って生活しているためです。
人間はほかの動物とは違い、生活のほどんどを二足歩行で暮らしています。
場合によっては座りっぱなし、立ちっぱなしの生活を繰り返しているため、頻繁に酷使される腕や肩、そしてずっと全体重を支えなければならない腰には、当然ほかの動物よりも負担がかかります。
例えば、車のメンテナンスを日ごろから怠っていると、エンジンやギヤ、クラッチなど、頻繁に動く部分が真っ先に壊れます。
アクセルブレーキを乱暴に操作しているとタイヤがどんどんすり減るでしょう。
日ごろから愛用しているハンドバッグでも同じことが起こります。
チャックや取手部分など、頻繁に使うアクセサリーはよく壊れますが、普通に使い続けている限りは、胴部分が真っ先に破れるようなことはまずありませんよね。
人間の肩や腰は、全体重を支えつつ手足の負担までも支える役割を持っており、身体の中でも特に酷使されている部位なのです。
人の身体も車やバッグと同じように、頻繁に負担がかかる部位、大きな荷重がかかりやすい部位は、故障を起こしやすいのです。
肩腰は、もしも一度ケガを負ってしまうと、なかなか休まる暇がありません。
そのため、肩や腰は一度傷めてしまうと、完治するまでに長い期間がかかってしまうのです。
軽い肩こりや筋肉疲労による鈍い腰痛の場合、軽い施術やストレッチ、マッサージで筋肉をメンテナンスすれば、その場であっという間に症状が取れてしまいます。
しかし、それはあくまで、「症状が軽い場合」です。
痛みを数か月、ないしは数年放置してきた肩こり、違和感があるにもかかわらず、無理に仕事を続け、痛み止め等でなんとか誤魔化してきた腰痛…
長年患っている症状ほど、一度きりの治療や軽い運動だけでは治りません。
壊れた充電コードを無理に抜き差しして使い続けると、スマートフォン本体の充電端子まで壊れてしまいます。
糖尿病を気づかずに長い間放置してしまうと、失明や内臓障害、手足の切断を余儀なくされることもあります。
一度失明してしまった目は、たとえ糖尿病が完治しても治ることはありません。
故障した身体を放っておくと、そこが原因となってどんどん身体が壊れてしまうのです。
同じように、重症の肩こりを放っておくと、首や背骨の変形、神経障害、血流が止まった筋肉の断裂による五十肩など、重い病気に罹りやすくなります。
そして、一度変形してしまった骨はカンタンには治りません。
最悪の場合、どんなに治療を受けても、ゆがみが一生治らないこともあるでしょう。
著しく変形してしまった骨や、切れてしまった神経、筋肉は、残念ながら完治させることができません。
しかし、どうせ治らないからと言って放っておくと、ますます多くの病気を招き寄せてしまいます。
気づいた時が、身体を治すチャンスです。
これ以上悪くならないように、そしてさらに健康な身体を作ってゆくために、筋肉・関節のメンテナンスを日々意識するようにしましょう。