【勘違いは恐ろしい】 ぎっくり腰の話
ある夕方の話です。
「腰が痛くて歩けない!!」
ぎっくり腰の方がいらっしゃいました。
椅子から立ち上がった瞬間にやっちゃったんですね。
重作業をする方のみならず、冷えや運動不足がひどくてぎっくり腰になるケース、男性に良くあります。
特にずっとデスクワークや車仕事で腰を固めている方はかかりやすい!
しかしその方、腰をいくら検査しても全く異常がありません。
何かおかしいな?そう思って仙腸関節を軽く調整してあげます。すると、
「あれ!?ぜんぜん痛くない!!」
その方はあっという間に治って帰ろうとしちゃいましたが・・・
「いやいや、ちょっと待って待って!!そのままだと絶対再発するから!!!」
しっかりとキネシオテープで固定してから注意事項をしこたま説明して帰っていただきました。まあ、要するに「仙腸関節の捻挫」だったわけです。
当時、これを勘違いした後輩君がいました。
「そうか!!ぎっくり腰は仙腸関節を矯正すれば治るんや!!!」
ぎっくり腰の患者さん全員に仙腸関節の矯正をやり始めちゃったわけです。
「え!?ヘルニアの人の腰を捻っちゃったの!?」
そりゃ悪くなりますって・・・後遺症がなかったのは救いですが。
ぎっくり腰とは言うけれど・・・
この場合は、「仙腸関節の捻挫」もとい、骨盤のずれと亜脱臼があったから骨盤矯正が効果があったわけで。
例えば、強く痛めてしまっているぎっくり腰は、「骨盤の矯正では治りません!!」
細かい解説は省きますが、ものによります。
特に炎症期、ぎっくり腰をやっちゃってズキンズキン傷んでいる時。骨盤矯正だけで緩和するのは無理があります。(骨盤矯正と言っても実際は色々あるのですが)
- 骨盤矯正でぎっくり腰が治る!!
- 背骨のボキボキ矯正だけでぎっくり腰が治る!!
そういう売り方をしている治療法もあります。
しかし、そんなもん思考停止でど素人が数時間習ったレベルで全部治るわけないでしょ。
風邪薬さえ飲んでればどんな風邪でも、インフルでもコロナでもなんでも治る!って思いこんでるのと同じくらい横暴ですよ。
治らないだけならまだ良い方です。下手にぎっくり腰を捻ったりボキボキ言わせると物によっては「悪化」しますからね。
せっかく治しにきていただいているのに、壊しちゃったら元も子もない。
確かに、痛みの出現を防ぐことが難しい症例もあります。
しかし、常識を知ってさえいれば事前に予防できるような壊し方は絶対に避けたいものですね。
怖い話でしたが、このような凡ミスは医療業界ではありがちです。
介護で転倒しちゃったり、注射を打つ場所や薬剤の間違えたり。
最先端のアメリカでさえ、医療ミスの死亡者は心臓病、がん(悪性新生物)に次ぐ第三位の死因となっています。
どんな治療にも人が介入される限りミスはつきもの。
しかし、明らかに防ぐことのできたミスは無くしていきたいものですね。
当院のHPはこちらです!↓